6.ゴルフのための栄養学 |
栄養のバランスがとれた食事は、身体の機能を正常に保ち健康的な生活を送るのに役立つだけでなく、ゴルフをより楽しいものにしたり、トレーニングの成果を大きくすることに貢献します。
エネルギー源となる炭水化物・脂肪
筋肉のエネルギー源は、主に炭水化物と脂肪でこのうち炭水化物は、最も手軽に利用できるエネルギー源です。特に激しい運動時には、消費量が増えエネルギー源としての役割は重要となります。また、脳が働くためのエネルギー源でもあり、不足すると頭がぼーっとしてきて集中力が切れ凡ミスを犯しやすい。そのためにラウンドの終盤の疲れた時に飴など甘いものを口にすることが、プレーに対する集中力を取り戻すことに少なからず貢献するのです。
炭水化物を利用するには、ビタミンB1を必要とするため合わせて摂取することを忘れてはならない。ビタミンB1が不足すると炭水化物がエネルギーに転化し難くなり、早く疲れがでます。一般成人では、ビタミンB1の1日の摂取量は、約1mgで、ハードなスポーツをする人は2倍ぐらいの量が必要となります。
★ビタミンB1を含む食品(mg/100g中) | ||||
ご飯 | 0.54 | 落花生 | 0.85 | |
小麦はいが | 2.10 | 焼海苔 | 1.10 | |
豚肉 | 1.03 | 大豆(乾) | 0.83 | |
うなぎ | 0.75 | しいたけ(乾) | 0.57 |
一方、脂肪は、炭水化物の倍以上のエネルギーを生み出すエネルギー源で、長く続けられる軽い運動や中程度の運動、例をあげると歩行やジョギングなどに必要です。ただし、余分に摂取された脂肪は、皮下脂肪として体内に蓄えられ成人病などを招くことになるため摂り過ぎない様にこころがけなければなりません
★食品別たんぱく質、脂肪、炭水化物含有量(単位/g) | ||||
食品名 | 量 | たんぱく質 | 脂肪 | 炭水化物 |
ご飯1杯 | 130g | 2.7 | 0.3 | 41.3 |
パン1枚 | 45g | 4.5 | 0.8 | 21.6 |
牛肉(もも) | 100g | 21.0 | 6.1 | 0.7 |
牛肉(しもふり) | 100g | 12.4 | 41.0 | 0.5 |
豚肉(もも) | 100g | 16.7 | 22.9 | 0.5 |
鶏肉(ささみ) | 100g | 23.7 | 0.5 | 0.1 |
鶏卵 | 100g | 12.3 | 11.2 | 0.9 |
牛乳 | 200g | 5.8 | 6.4 | 9.0 |
豆腐 | 200g | 12.0 | 7.0 | 3.4 |
さんま | 140g | 20.0 | 8.4 | 0.2 |
ジャガイモ | 90g | 1.5 | 0.1 | 15.5 |
捻挫や肉離れを予防するために
『ラウンド中捻挫をする』『走っていて肉離れをした』などという人は、ビタミンCを多めに摂ることをお勧めします。
筋肉やじん帯内の細胞を結ぶ結合組織がコラーゲンというたんぱく質からできておりコラーゲンが体内で作られるときにビタミンCが必要となります。ビタミンCが不足すると結合組織が弱まり捻挫や肉離れをおこしやすくなります。
また、欠乏するとストレスに対する抵抗力が弱くなり、疲れやすかったり風邪をひきやすくなったりもします。
摂取の目安は、一般成人で1日200〜300mg、運動を続けている人で1gです。
★ビタミンCを含む食品(mg/100g中) | |||
グァバ | 270 | キウイ | 80 |
パセリ | 200 | ピーマン | 80 |
ブロッコリー | 160 | 焼海苔 | 95 |
レモン | 90 |
ラウンド中のケイレン、ラウンド後の筋肉痛を予防する
筋ケイレンの原因は、一般的に、筋肉の疲れ、寒さ、過剰な発汗による水分やミネラル・ビタミンの損失などが考えられます。
予防策の一つとして水分や栄養(カルシウム、カリウム、ビタミンB,C)の補給があげられます。カルシウムは、骨や歯を作る役割の他に筋肉の収縮を円滑にする重要な働きをします。そのため筋肉内のカルシウムが欠乏するとケイレンが起きたり筋肉痛がひどくなることがあります。カルシウムの必要量は、一般成人で体重1kgあたり約10mg、スポーツをしている人や発育期にある中,高校生で約13〜15mgです。
また、ビタミンCが損傷した組織を治す作用があるため多めに摂ることで運動後の筋肉痛を和らげることができます。
★カルシウムを含む食品(mg/100g中) | ||||
煮干し | 2200 | わかめ | 960 | |
ひじき | 1400 | チーズ | 630 | |
いりごま | 1200 | 粉乳 | 1100 | |
いわし丸干し | 1400 |
トレーニングで筋肉を太くするために
たんぱく質は、身体を構成している大切な栄養素であり、筋肉のほとんどがタンパク質からできています。そのため、タンパク質が不足していると筋肉トレーニングを行っても筋肉は太くならず、したがって大きな筋力アップはみられない。
高たんぱく、低脂肪の鶏肉(ささみ)が食品の中でも良いと言えます。
ただし、余分にタンパク質をとりすぎても脂肪に変わってしまうので毎日の食事で規則正しくとることが望ましいです。
夏バージョン
炎天下のラウンドでバテないために!
シャツがビショ濡れになるほど汗をかくためにラウンド中に少しずつ水分を数回摂り体内の水分量を一定に保つことにより脱水症状を妨げなければなりません。水分を補給しないで運動を続けていると脈拍や体温が高まっていき運動能力が低下するし、さらに熱中症にかかるおそれもあります。水分補給をビールで済まそうとしてつい飲みすぎてしまう人がいますが、過剰のアルコールは運動能力の低下ばかりか判断力、記憶力などの大脳の働きを鈍くさせミスショットを連発させます。
夏のゴルフは特に酸素不足に陥りやすくめまいや立ちくらみの症状がおこりやすいので鉄分を多く摂る食事を工夫することをお忘れなく。鉄分はビタミンCと一緒に摂ると吸収されやく、逆にコーヒーやお茶に含まれるタンニンは吸収の妨げになります。
★鉄分を含む食品 | |||
ひじき | 55.0 | 焼海苔 | 12.7 |
あさりの佃煮 | 25.0 | しじみ | 10.0 |
黒きくらげ | 44.0 | 大豆 | 9.4 |
豚レバー | 13.0 |
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