ゴルフ心理学
6.集中力を高める


集中力を高める
 どんなスポーツでもリラックスすることは、大切です。ゴルフも例外ではありません。しかし、すべての場合にリラックスが良いというわけでもありません。例えば、1つのホールで2けたの大叩きをしてなげやりになっているゴルファーや、OBや3パットの後でしらけた気分になっている人を見かけます。いずれも集中力を失ってピリッとしたところがないので「もっと緊張しろ!」と声をかけたくなります。
ゴルフでは必要に応じて注意を集中させる能力が必要です。
 注意の集中とは、これからやろうとすることに全部の注意を注ぎ込むであり、外からの雑念や心の中から湧いてくる雑念をすべてカットした状態のことです。
 一般に集中といえば、レンズで太陽光線を一点に集めて黒い紙を焦がす時のように、自分が持っている注意の量を一点に集中させることが多い。例えば、パッティングの時にカップしか見えず周りが見えないような状態であるとか、アドレスした時に誰かが話しかけてもその耳ざわりな声が全く聞こえないような状態です。しかし、サッカーでドリブルをするような時を考えてみると注意をボールだけに置いていると相手がボールを取りに来ても気付かないし見方の動きに合わせてパスを出すことさえ出来ません。その際、ボールを間接視野でとらえるような注意の仕方が必要です。注意を分散して集中しているので『拡散的な注意の集中』と言います。
 ゴルフのプレーを考えるとショットの前には、ライ、残りの距離、風、ピンの位置、コースレイアウトなど様々な状態に注意をむけることは必要ですが、実際にショットするという時には、一点集中的に注意を集中していくことが重要となるでしょう。
 

集中力を高める方法

1.妨害法
 周りを騒がしくしておいてわざと悪環境を設定して、さまざまの妨害のもとで練習することで妨害刺激に対する慣れや抵抗力を高める方法。
 例えば、パッティングでわざと大きな声で話をしたり、打っている人の近くで動いていたりとか悪環境の中でいかに集中できるかといった練習法。
2.凝視法
 何かを長時間凝視することで注意の持続性を高めたり、注意が他のものにそれないようにすることをねらう方法。
何でもよいが一点を5分間凝視したり、慣れてきたら10分ぐらいのばしてみる。
3.制限法
長時間凝視することは、困難なので時間や練習量を制限して、そのかわりに集中して練習する方法。
例えば、30球だけ真剣にプレーを想定して打つこと、5分間だけパットの練習を集中することなどがあげられる。
4.作業法
 比較的強い注意が必要な作業を行うことによって集中力を高める方法。
代表的なものに『数字探し』というのがある。00〜99までの数字がランダムに書き入れてある数値表(縦・横各10)を使い、任意の数字から始めて、それより1づつ大きな数字を決められた時間内にできるだけたくさん探すというものなどがある。他にもトランプの神経衰弱などがあげられる。
5.キー・ワード法
 キー・ワードとは、手がかりや鍵になる言葉という意味。集中すべき対象や自分の動きなどをあらかじめ言葉にしておき、集中がとぎれそうになった時にその言葉を唱えることによって注意を集中できるようにする方法。自分が集中できるものであればどんな言葉でもよい。普段の練習の中でピッタリあてはまる言葉を決めておくことです。
6.身体刺激法
 ラウンド中に集中力が途切れた時に身体を刺激して興奮させる方法。例えば、手を強く握ったり開いたりして刺激を与えることや、体が熱くなって興奮するまで素振りをするなどの方法があげられる。大相撲の立会いで自分の顔をバシバシ叩く力士がいるがそれと同じやり方です。


集中力は、自己の能力を発揮する上で最も重要な能力ともいえます。しかし、長時間集中していると精神的疲労を起こします。必要な時だけ集中できるのが理想です。

目標を設定
   ↓
リラックスの方法を学ぶ
良いスイングのイメージを持つ
集中の方法を学ぶ
自己セルフコントロールする
   ↓
自己の能力を発揮

ゴルフはメンタルなスポーツです。技術練習だけでは上達は望めません。
心のトレーニングを平行して行うことで、より上達が望めるでしょう。
また、』メンタルトレーニングはクラブやボールがなくても出来るトレーニングです。早速、自己の心の変化を意識することから始めて下さい。

[HOME] [ゴルフ心理学TOPに戻る] [ 次に進む(まだです) ]