1.ゴルフ場における突然死
現在の日本のゴルフ人口は1117万人で、40歳以上の中高年が40.6%を占めている。つまり、成人病の危険因子を持つ年代が多いということになります。。
発症は、ショットの直後のみならず、パターの際にも発生しており、特に睡眠不足や二日酔い状態、真夏のプレーにおける脱水状態などが誘因となることがことが多いとされています。
また、その背景には、肥満、高血圧、高血糖、高コレステロール血症、低HDLコレステロール血症、高中性脂肪血症、高尿酸血症、などの、成人病が危険因子として考えられます。
ゴルフ場は医療機関より離れており、しかも救急態勢が整っていないため、突然死に至る割合が高くなるのです。
ゴルフ場における死亡原因と場所
(多い順)
死亡原因 | 発作または死亡場所 |
心不全 心筋梗塞 脳卒中 心臓発作 糖尿病 落雷など |
コース フェアウェー グリーン バンカー ハウス 食事中 入浴中 練習場など |
*突然死を防ぐには・・。*
上記の死亡原因から見ても突然死は、先ほど記述した成人病(赤字部分)が大きな誘因となっていることがわかります。
こうした結果から、突然死を防ぐには、日頃から自分の体を知っておくために病院でメディカルチェックを受けておく必要があります。
―例えば、個人チェック―
血圧が高いと言われたことがある。
心疾患がある。(狭心症と診断された。過去に心筋梗塞を起こしたことがある。など。)
心電図に異常があると言われたことがある。
よく、動悸・息切れがする。
家族に心臓病の人、原因不明の突然死をした人がいる。
血液検査でコレステロール、中性脂肪が高いと言われたことがある。
血液検査で尿酸が高いと言われたことがある。または痛風と言われたことがある。
血液検査で血糖が高いと言われたことがある。または糖尿病と言われたことがある。
脳血管疾患がある。
運動時に不整脈がある。
運動時に胸が痛くなったり苦しくなったりしたことがある。
運動時に動悸が強い。
運動後の疲れがひどい。
現在、病気があり通院中である。など・・。
肥満がある。
喫煙する。
―スポーツのためのメディカルチェック項目(病院にて検査される項目)―
診察。問診。
既往歴(今までにかかった病気)、家族歴、自覚症、生活調査、(喫煙、飲酒、食事、生活習慣)
理学所見
循環系、運動系、肥満度
胸部レントゲン写真
心電図
血液検査、尿検査
運動負荷試験
負荷心電図
負荷心筋シンチグラフィー
精密検査
心エコー
冠動脈造影
その他異常が認められた所見の精密検査
その他
以上、いろいろな誘因で突然死の発生が考えられますが、個人個人が自分の体を理解することが大切であり、個人がその日の体調を考え、無理をしないことがもっとも大切でしょう。楽しく元気でゴルフをするために今すぐに自分で出来る事と考えた場合、とりあえず食事、喫煙、飲酒などの生活習慣を改善ことでしょう。
そして、上記のような誘因があり、ハウスでの多量の飲酒、ゴルフ中の多すぎる喫煙、飲酒後の入浴時のサウナなどは自殺行為であるように思われます。
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文献:中高年のスポーツ医学 南江堂などを参考にさせて頂いて、ゴルフスクエア『ゴルフ診察室』医療担当者が勝手に書かせて頂きました。みなさんのご参考程度に・・・。