ゴルフによるスポーツ障害
疾患と治療
椎間板ヘルニア | ||
病態 ・ 症状 |
腰痛の中で最も多い椎間板ヘルニアについてとりあげます。 椎間板ヘルニアとは椎間板外層の線維輪が断裂してそこから髄核が脱出した状態です。 要するに分かりやすく言えば、腰骨の骨と骨の間にゆで卵のクッションがあると思ってください。その骨と骨の間のゆで卵が何らかの強い力によってつぶされた為はみ出し後ろを通っている(後ろにはみ出すとは限らないが)神経が圧迫され痛みや神経症状が現れるのです。 よく重いものを持ち上げた時よく言われる「ぎっくり腰」と言われるもので、ゴルフの場合でも同じで、スイング時一瞬の強い力が加わることにより骨と骨との間のクッションであるゆで卵がはみ出てしまい発症するのです。 症状は痛くて動けないものから、軽い症状のもの、臀部(お尻)から大腿(ふともも)下肢にかけての痛み(坐骨神経痛)や感覚麻痺などヘルニアの程度によって異なります。しかし、椎間板ヘルニアの意味(ゆで卵クッション)を理解していれば病態の考え方も治療もおなじです。 スイングはスピードある一瞬の動作であり、もしその途中で障害が起きても止められないというデメリットがあります。打ち終わったときにはもう遅い!ということが多いのです。 また、原因の一つとして体が硬い(柔軟性がない)ことがあげられます。病院で診察する椎間板ヘルニアのほとんどの人が体が硬いことが診うけられます。 アマチュア特にゴルフ以外のスポーツをしていない場合、体が硬い人が多い為、筋(すじ)が固く腰に負担がかかってしまうのです。 ヘルニアは再発するのでよく病態を理解して繰り返さないようにする事が大事です。 |
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治療 | 1.安静 | 病態を理解していれば分かるように安静にしてゆで卵が壊れないようにするのは当然です!でも、これが一番みなさん守れないようです! ゴルフは当分禁です。1ヶ月ぐらいはやめておいた方が良いでしょう。(ヘルニアの出方にもよりますので医者と相談しましょう。) 寝るときの態勢は横向きで膝を曲げるか、仰向けだったら膝の下に枕を入れ腹圧をかけないようにする。 |
2.無理な体勢をしない。 | ゆで卵を壊さないように前かがみにならない。物を拾うときなどは膝を曲げて取るなど。 | |
3.注射 | 整形外科で診察してもらい、疼痛がひどく日常生活にきしょうをきたす場合など、疼痛をとる意味だけではなく、神経の腫れをとる意味で局所の注射が必要となる。注射自体それほど痛くないのでいやがらず、かえって注射した方が早く直ることが多い。局所麻酔剤+ステロイド剤注。 | |
4.内服・座薬 | 消炎鎮痛剤。(病院で処方された薬) 注射と同じで疼痛をとるだけではなく神経の腫れをとる目的もあるので医者の指示された期間使用する。 |
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5.腰痛牽引 | 神経の圧迫をやわらげる。最初はなるべく通院して牽引してもらう。 | |
6.腰椎ベルト (コルセット) |
局部の安静と腹筋を助ける。なるべく病院でしっかりした物を使う。あまり、高さがないものは意味がない。 | |
その他 | *ヘルニアを繰り返さないためにも必ず病院で治療し、医者と相談しましょう! |
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